少しでも早く、雪那を苦しみから解放したい。
だから、アメリカまで来たんだ。
「ねぇ、慧斗」
「ん?」
「さっきの人……」
「ジョンのことか?」
コクンと頷く。
「色々早口で言っててわからなかった」
「そうか」
「何て言ってたの」
俺を見上げながら聞いてくる。
視線を下げると左手の薬指には指輪が輝いている。
俺が送った指輪だ。
「雪那との関係を聞いてきてた」
「そうだったんだ」
なるほど、と雪那は頷く。
俺はニヤリと笑った。
「何て言ったと思う?」
「え……?」
「当ててみろ」
当てたら良いものあげる、と物でつり上げると、雪那はうーん、と唸る。
「慧斗の事だから………俺のだ、とか……?」


