勿論、いなくならないとは分かっている。
「で、何かあったか?」
「日本より広いから沢山綺麗なものがあって嬉しい」
満面の笑みを浮かべる雪那。
雪那の視力は少しずつではあるが確実に奪われていっている。
「そうか」
「それで帰り道ここを通りかかったから」
慧斗がいたら一緒に帰ろうかなって思ったの。
そういう雪那を俺は今すぐ抱き締めたい衝動に駆られるが、
『慧斗~』
「………う、」
ズシッと背中に重圧がかかり、前のめりになってしまう。
肩越しに確かめたらにやついているジョン。
『ジョン……』
『なんだよ~お前、知り合いがいたのかぁ?』
背中から離れて、俺の隣に立つ。
雪那は、突然現れたジョンに目を丸くして驚いている。


