もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。




「………あたし、まだ言っていない言葉があるの」

「あぁ」

「………大好きだよ、慧斗っ」


言い終えるか否かのタイミングで慧斗はあたしの唇に自分のそれを重ねた。


「ん……」

「………知ってる」


ゆっくりと慧斗は離れ、満面の笑みを向けてくれた。
それは、本当に幸せそうな笑みだった。


「慧斗………」

「もう、絶対に離さないからな」


ギュッと手を繋ぎ直して、あたし達は歩き出す。


「………でも、あたしは……」

「………雪那、俺、決めたことがあるんだ」


あたしの言葉を遮って慧斗が口を開く。


「決めたこと?」


首を傾けて聞き直すと、慧斗は頷く。


「―――――俺な、」