もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。




「何が嫌なんだ」

「他人の迷惑になること」


耳ならまだいい。
だけど目が見えなかったら何もできない。誰かの手を借りなきゃいけないんだ。


「迷惑になんてならない」

「慧斗は優しいから」


一度聞いたよね、もし両目が見えなかったらどうする?って。
慧斗は一緒にいるって答えたよね?


だから嫌だったんだ。


「あたしは、慧斗の足枷にはなりたくない」


だから離れた。
慧斗はこんなにも優しいから、あたしなんかよりもっといい人が似合うから。


「―――馬鹿が」

「っ」

「目が見えないからなんだっていうんだ。それでお前は別人になるのか?」


じっと心の中まで見透かされそうになる。


「足枷だと?自分を何だと思ってる」


荷物か?違うだろ?