温もりが慧斗が本物だということを証明している。
「どうして……」
「どうしてじゃねぇ!!なんで勝手にいなくなったんだ!!」
ガバッと慧斗は離れてあたしを叱りつける。
「…………」
「俺がどれだけ探したか………」
眉を下げ、腹の底から絞り出したような声をだす慧斗に、あたしは本当に探されていたんだと痛感した。
「どうして、隠していたんだ」
ピクリと肩が反応する。
「何を?」
「目のことだ」
あぁ、知られちゃったんだね。病気のこと。
「………」
「どうして……」
「………嫌だもの」
はぁ、とあたしは諦めの溜め息をはいた。慧斗の手からするりと逃れて距離をとる。


