境内から下を見下ろす。
てっきりあたしはこの下は樹が多い繁り滝でもあると思っていた。


清水寺から落ちても死なないってすごーいとか思ってたけどなるほど、この高さじゃ死なないわ。


実際は沢山の樹が多い繁っている訳でもなく、滝があるわけでもない。ただの道があるだけ。
あ、出店だ。


「………感動がない…」


はぁ、とあたしは溜め息をついた。
せっかく最後にしたのに………長い坂登ったのにさ


あたしは軽く肩を落としながら清水寺に長居することはしなかった。


「………どうしようかな」


てくてく長い坂を下りながら物思いに更ける。
京都はただの旅の途中でしかなく、終わりではない。


旅の終わりは………あたしの全てが終わる。