もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。




時計を見ると二時過ぎ……そろそろあたしも新しい場所に行かなきゃ。


「倉庫に行くか」


ガタッと立ち上がる慧斗に続いて、奏、あたしも立ち上がる。伝票を持っていく慧斗にあたしはあることを思い出した。


「………あたし、お金持ってない」


いつもiPod以外持たずに出てくるからお金持ってるはずがないんだ。連れられるままついてきたけど、今になって気づくなんて………


「気にするな」


だけど、慧斗は、一人だけレジに行く。思わず奏を見ると、慧斗が全部払うよ、と言ってくれた。


「慧斗はお金持ちだから」

「いつも?」

「そ。あ、ちゃんと払ってくれた分働くから」


等価交換、ってやつ。と奏は教えてくれた。


何だかよく分からないけど、奏の言葉は正論だ。