「………左目は、見えてるのか?」
「勿論!」
「そうか………」
慧斗は、安堵の息を吐くと、なんで早く言ってくれなかったんだと頭を軽く叩く。
「ごめんね」
「不便だろ?片目だけだと」
「慣れちゃったよ」
ちょっと危ないときもあるけどね、と言うと、慧斗は少しだけ眉間にしわを寄せた。
「ちゃんとそういう事は言えよ」
「だって……」
「もう隠し事はないか?」
聞いてくる慧斗に、あたしは小さく頷く。
「………ねぇ慧斗」
「ん?」
慧斗は、あたしの頭を撫でながら頬にキスを落とした。
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