面倒そうに見えるけど、面倒見のいい少年って感じだけど……
「あんな慧斗初めてだよ」
普通はもっと冷たい人間なんだよ、と奏はいう。
ドリンクバーに進んでいったのも初めてだし。機嫌いいから俺のもとってきてくれるって、かなり凄いことだよ?天変地異の前触れかも、と奏は、さらにそう言った。
本人が聞いたら怒られるんじゃ・・・
「ふーん」
「貴重だね」
奏は笑ってばかりで疲れないのかな。
「………貴重、か…」
そうだね。
ある意味あたしは貴重なのかもしれない。
「ほら、ホワイトサイダー」
3つのコップを持ってきて、白いのを奏に、そしてオレンジ色のものをあたしに渡してくれた。
「これは?」
「オレンジジュース」
もしかして飲めなかったか、と聞いてきたのであたしは首を振った。
「ありがとう」
素直に御礼を言うと、お待たせしましたと料理が運ばれてくる。


