うわーカラフルだ。
あたしは、そいつらを見て感じたことだ。
「やっぱ紅椿もこうみたら女だな」
「ハッ、大勢で襲ってきて本当に男かよ」
馬鹿にするように鼻で月は笑う。
すると、金髪は頬をひきつらせながら月の前で腰を折る。
月の左頬を撫でて、平手を食らわせた。
「っ」
「口が悪いな」
支えもなく、倒れた月は、唇を噛んだのか一筋の血が口端から流れた。
「あんた……あたしがどこの傘下か分かってるんだ」
「勿論……黒龍、だろ?」
でもさ、黒龍は傘下がどうなっても動かない、だろ?
黒龍は、突然出来た族。
夜しか動かない暴れない。だのに短い時間でトップまで登りつめた。
そんな黒龍を潰したい奴らは沢山いる。しかしそれとは反対にあこがれる奴らも多々いる。
そういう奴らは、黒龍の傘下に入りたいと願い出る。
黒龍は、群れたりしない。傘下に入るのは自由だが、黒龍は何もしない。
形だけでいいなら好きにすればいい。
「それが黒龍の総長の言葉だろ?」


