なんだか、慧斗と一緒にいるだけで最近のあたしは安らいでいた。
この感情に何て名前を付けたらいいのか、分からない。
でも、一つだけ確かなのは。
「月ちゃんには、悪いと思うけど、あたしは慧斗と付き合ってないよ」
「………え?」
「好き、と言われたけれど、あたしには応えられないから」
天井から月に視線を戻す。
月は、驚いて目を見開いている。しかし、すぐにあたしを睨んだ。
「なんでよ」
「うん」
「慧斗から告白されて、応えられない?ふざけんな」
「そだね」
あんなかっこよくて優しくて良い人に告白されて断る人は絶対にいないと思う。
あたし以外は。