「見たところ……何も知らないって感じ?」

「こいつには、触れさせない」

「ふーん」


あたしは、ゆっくりと立ち上がって月の服を無意識に掴んでいた。


なんか、前の男達と雰囲気違う。


男は、背後に控えていた仲間に目配せすると仲間は、四方八方に散らばり、囲まれた。


「………くずが」

「………その言葉、言ったこと後悔させてやるよ」

「チッ、あんた、あたしから離れんなよ」


月は、あたしの手を掴むと、ジリジリと周りを警戒しながら腰を少し低くした。


「………ねぇ、」

「なに」

「不良って女にも手を挙げるの?」


これは、確認だった。
月は、ふっと笑うと、当たり前だろ、と言った。


「この世界は男女平等だ」