「雪那ちゃん聞いて良い?」
「?何を?」
ひょこっとあたしの顔をのぞき込んできた奏。
何かな?と思っていたら、奏の視線はあたしの右目に釘付けになった。
「その目、天然?」
目?……あぁ、
「さぁ、どうでしょう」
にっこりと笑顔で返した。
「うわ、気になるっ」
「好きに思えばいいよ」
あたしは、右目の下をトントンと叩いて笑う。
あたしの両目は、色が違った。左は黒。右目は青。
でも勿論天然じゃなくて、右目にはカラーコンタクトを入れている。
慧斗に誘導されながら河原から上がったあたしは、目の前に置いてあった二台の大型バイクに目を奪われた。


