それにはあたしも同意見だった。
「あの子、何?」
あたしは、慧斗を見上げた。
慧斗は何故か複雑な表情をしていた。
「慧斗?」
「あいつ、月はまぁ俺の幼なじみ」
「幼なじみ?」
「それで、あいつは総長が大好きなんだよ」
いつの間にか、遠矢と二人でジジ抜きを再開していた神楽は、最後の一枚を遠矢引かれ、俺の勝ち!!と喜んでいる所だ。
「俺は、あいつあんま好きじゃない」
負けた……、と若干ブルーに入った遠矢が言う。
「どうして?」
あたしが聞くと、遠矢は、我が儘だから、と即答した。
「総長を自分のものだと勘違いしてるとこも嫌い。」
遠矢は、あまり表情豊かな方ではないけれど、明らかな嫌悪を出していた。


