二人とも良い名前だ。 「ここで会ったのも何かの縁だし、仲良くしよう?」 満面の笑みの奏に言われて、あたしは頷く。なんだかこの笑顔に逆らったらいけないような気がした。 「雪那」 「っ、その声で名前呼ばれるなんて………!!」 「悶えるのは後にしろ。行くぞ」 慧斗は、溜め息混じりにあたしの手を掴むと歩き出した。 「行くってどこに!」 「飯。腹減った」 「雪那ちゃんも一緒に食べよー」 あたしの隣を奏が歩く。 ご飯?もうそんな時間なんだ。 時計持ってなかったからわからなかった。