まったく、と怒りながら山本は病室を後にした。 最後に翔平に、絶対に脱走するな!!と釘をさして。 「・・・ホント、からかいがいがあるよなぁアイツ」 山本が去って行った扉を見ながら翔平は鼻で笑いながら呟いた。 そしてベット脇にある棚から一冊のファイルを取り出した。 それは図書館で冠汰が盗んだ・・・ではなく見つけたあのファイルだった。