そんな時翔平の携帯が軽快な音楽を奏でた。
「電話・・・?・・・冠汰だ。もしもし」
『あ・・・翔平?』
「そうだけど、お前今何処にいるんだよ』
『いや、もうすぐそこにいるにはいるんだけど・・・』
歯切れの悪い冠汰に?を浮かべる翔平。
「冠汰何だって?」
「なんか、近くにはいるみてぇなんだけど・・・」
「?さっさと来ればいいじゃん」
隣から聞いてくる白吏も、頭に?を浮かべる。
「なんかしんねぇけど、さっさと来いよ。電車もう来るんだけど」
『それはわかってるよ。・・・あのさ翔平』
「あ?」
『・・・・・・お、怒らない?』
「は?」
思ってもみなかった言葉に、何言ってんだこいつはという顔をした翔平。
『や、だから、怒らない?』
再度聞いてきた冠汰。
「何、なんかしたのお前」
『したっていうか、そういう訳じゃないんだけど・・・』
段々とイライラが募ってきた翔平。
「いーから、さっさと来い!!
怒んねぇから」
「『約束だからな!?』」
「は?」
電話越しではなく直に響いた冠汰の声に驚いて視線を前へと向けた翔平。
「・・・・・・は?」
「・・・あんの馬鹿」
視線を向けた先の光景を見た翔平は己の目を疑い固まった。
白吏は呆れながらポツリと呟いた。


