電車に揺られて数10分。
翔平はたまに来る程度の街に来ていた。




駅から離れて、まだ開店していない【雫】という店の扉を開いた。


「あ、翔平くーん!」




少し進んでいくと、奥から一人の女性が来た。



「どうも。急にすみません」


翔平は軽く頭を下げて女性に近づいた。



「いいよ別に。この時間は暇だし」




そう言って笑った女性は、ケーキ屋に白吏と一緒にいた女性だった。




















「へぇー、そんな事があったんだ」

白井真穂(シライマホ)22歳
No.1キャバ嬢&白吏の彼女



喫茶店に移り、テーブルを挟んで向かい合わせに座った翔平と真穂。




「白吏から聞いてませんか?」



「・・・彼女って言っても、肩書だけだしね」




紅茶の入ったカップをもったまま苦笑い気味にそう言った。


余計な事を言ったなと、翔平はごまかす用にクリームソーダを飲んだ。



「翔平君って子供っぽいよね。ってゆーか女の子っぽいわね。かわいーし」




クスクスと笑いながら真穂がいうと翔平はムッとしたがあえて何も言わなかった。



「それで、私に聞きたい事って何かしら?わざわざ此処まで来たのだし」




カップをソーサーに置いて手を組んでそのうえに顎をのせた。