部屋を見渡していた翔平だったが、天井に視線をとめた。




「なぁ遠山さん。この屋敷は外から見たかぎりでは2階建てには見えないんだけど」




「それもわからない事だ。絶対あと一階分あるはずなんだが何処を探しても上に行く道がない。
もしかしたら、たんに天井が高いだけかもしれないが・・・」




「ふーん・・・。
ねぇ、昨夜反頭はこの屋敷に肝試しに来たんだよ」




「ああ、知ってる。その時、君に深渓舞から電話がきたんだろ?」




「親父に聞いたんだ?」




「ああ」




「翔ちゃん昨日此処に来たの!?なんで私も誘ってくれなかったの!!」



後ろで騒いでいる叉奈を二人は無視。



「本当は言っちゃいけないんだが、その二人も昨夜から家に帰っていないそうで・・・。
捜索願いが出された」




翔平は携帯を取り出して着信履歴を見た。


「アレ?履歴が消えて・・・」




昨夜舞からきた着信履歴が無くなっていた。



「アッ!翔ちゃん大変!!」



「煩い叉奈」



「酷い!!そうじゃなくてっ、パパが帰ってきた!!」



「マジかよ!?帰るぞ叉奈!!」



「その必要ねーぞ翔平」



((ゲッ・・・;))





扉に寄り掛かってこちらを見ていた耕平を見て、七海兄弟の心が一つになった。






((最悪な事態に・・・))