歩いていると、遠山の足がとまった。


「ここが、反頭里南がいたと思われる部屋だ」




そう言ってドアを開けた。

中は、昨夜翔平が入った部屋だった。




「ゲッ!何あの血!」





壁や床に飛び散っている血を見た叉奈が指差しながらえっ!?えっ!?と翔平を見た。



「えっ!?っておまえ話し聞いてた?」




「反頭里南さんが殺されたんでしょう?わかってるけど女の子はびっくりしちゃうものなの!」





いまだに少しパニクりながら叉奈が言った。




「あの窓の真下に、反頭里南が倒れていた」




遠山が窓を見ながらいうと翔平が窓に近づいて下を覗いた。



ブルーシートでよくは見えないが人が行き来しているのが見えた。




「今のところ何かわかったことは?」





クルッと遠山に向き直った翔平。




「特に何も。わからない事は山の如しだ。例えば・・・」




「なんで窓付近に血がないか、だろ?」





ニッと笑いながら言って、部屋を見渡し始めた。



「洞察力はすごいよな」




ハハッと笑いながら遠山は翔平を見た。