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あの日以来、スティークがラナに何かを言うことはなかった。



もしかしたら、というラナの期待も日に日に薄れはじめ、逆にエバンに対する申し訳なさが溢れてきていた。



あの日、スティークが自分を奪い去ってくれればと思った日、ラナは全てを捨ててスティークと共に生きるつもりだった。



しかし、スティークは何も言ってはくれなかった。



逆に、後日謝罪に行った時のエバンの優しさに、ラナは胸が締め付けられそうだった。



「エバンさんなら…私を愛してくれるのかしら…」



ぽつりと、ラナの口から零れた言葉。



その言葉を拾い上げてくれたのは、他でもない…



「愛しますよ」



エバンその人だった。