「何だよ」



珍しいヴェルヌの行動に、スティークはわざとニヤリと微笑んだ。



しかし、ヴェルヌは真剣な眼差しでスティークを見つめ返した。



ヴェルヌのそのエメラルドのように美しい瞳に、スティークの姿が映る。



「お前は、俺に本気で人を愛するという事を教えてくれた…」



人を愛する事、愛し抜くことを教えてくれたスティーク。



一番大切な時に、力強く背中を押してくれたのは…目の前にいるかけがえのない親友だった。



「今度は俺が…お前に教える番だ」



そう言うと、ヴェルヌは口の端をつりあげて微笑んだ。



それは、スティークが見慣れた親友の笑顔だった。