―――――― サヴィアーノの城。 その城の若き国王の結婚が決まり、国全体がお祝いムード一色に染まっていた頃… ――――― 「でも、本当によかったわね」 ミルクティー色の柔らかそうなウェーブの髪をふわりと揺らし、髪と同じ色のくりくりとした瞳を輝かせながらこの城の使用人であるラナが微笑んだ。 「ええ、ありがとう」 少しはにかみながら、透き通るように美しい水色の髪と瞳をした女性―ミュリエルが答えた。 ミュリエルは、サヴィーアーノの国王ヴェルヌが結婚相手として選んだ女性である。