その人物の前で跪くと、そっと手を差し出した。



「えっ、あの…」



何が起こったかわからず、手を差し出された人物――ラナは視線をミュリエルへと送った。



その時、ラナの視線に気付いたミュリエルが…



笑顔で…



頷いた…



ラナはそっと、スティークの手に自分の手を重ねた。



「ついてきてくれ」



優しく微笑んだスティークは、重ねられた手をきつく握り締めた。



そして、ふたりはゆっくりとヴェルヌとミュリエルの下へと向かった…