(何…?)



ラナもまた、突然のヴェルヌの言葉に疑問の表情を浮かべている。


その時だった。



「スティーク!」



ヴェルヌが、ひとりの人物の名を呼んだ。



その言葉に、スティークを知る人物はみな一斉に視線をスティークに移した。



当の本人であるスティークも、まさかの事態に混乱しているようだった。



しかし、自分を見つめるヴェルヌの視線からその意図を読み取ったスティークは、ゆっくりとその場から動き出した。



(男をみせろよ)



(余計な事を…)



視線だけでそう会話すると、スティークはある人物の下へと歩み寄った。



「一緒に来て頂けますか…?」