無くて困るだろうな。 美亜はあたしが言ったことにすぐ気が付いて、怪しく笑った。 「え…ないっ!?」 ラケット置き場で美咲ちゃんの声が聞こえる。 あたしは美亜と顔を合わせて小さく笑う。 美咲ちゃん、ラケットないんだ。 可哀そうに。 でも、別になくていいんじゃない? 「どーしたのー?」 サヤの後に続いて、あたし達もラケット置き場に入った。 知らないふりするの、あたし結構得意。 ゴミ箱ってのは教えない。 自分で探してよ。 見ててあげるから。