繭は何も言わずに耐えてる。 気にしてないようにも見える。 けど、あたしにはわかるんだ…。 涙をこらえてるのが。 「繭!」 あたしは気付いたら叫んでた。 「瑠璃…?」 これ以上、繭を傷つけるわけにはいかない。 今は信じるとか信じないとか、関係ない。 「あ、あたしの隣に来ない!?」 あたしの隣は空いている。 もともとは誰かいたけど、どこかへ移動してしまった。 「勝手に席替えかよ?自己中だなー」 クラスの男子が面白おかしくそう言った。