夜空と夜桜






「ちょ…





張り切りすぎだよ……」





苦笑しながらも、恋歌の言う通りに動く





「なっちゃん!これ、どう!?」





恋歌が持っているのは、レースがついている白いワンピース





「…恋歌が似合うと思うよ」





なっちゃんの服を探してるんだよー…と、プクーッと頬を膨らませた恋歌





「なっちゃんは…スカートよりもズボンかな……





でも、長ズボンはもう暑いし、微妙だから…短パン!」





スキップしながら、店を見て回る恋歌は、とても楽しそうだ





妹がいたら、こんな感じなのだろうか





「なっちゃん!!





着てみて!」





―――夕方になり、カラスが鳴き始める





「…結局、あたしの服じゃなくて、恋歌の買い物になったね」





恋歌の両手には、大きな袋がぶら下がっていた





「…まぁ…いいじゃん!





なっちゃんの服も買えたんだし!





明日、ちゃんと着て行ってよ?」





そっか……





明日なのか…





できたら、明日なんか来ないでほしいと思う





「分かってるよ…





着なかったら、買った意味ないじゃん…」





あたしはそう言いながら歩く