「……何よ、偉そーな口叩いちゃってさ」 「…………」 「アンタ、ほんとムカつくのよ……何が沙耶ちゃんよ。ふざけるのもいい加減にして!!」 私はそう言うと、猫かぶり王子の頬を思いっきり叩いた。 ―――パァン ……鈍い音が、廊下いっぱいに響き渡った。