「ほんとに王子のこと好きじゃないの?」


莉乃は私をジッと見た。



「好きじゃない」


「ほんとに?」


「ほんと」


「ふーん。……でも、王子は沙耶のこと本気で好きみたいだけど?」


「……アイツが私を好きでも、私はアイツが大っ嫌い」




"好き"なんて、有り得ないんだから。