「あっ、ねー沙耶?」 莉乃は何かを思い出したように、ノートから顔を上げて私に視線を移した 「何?まだ分からないところあるの?」 「違うよ。……そーじゃない」 莉乃は俯いて言った。 「……じゃあ何?」 「王子のこと何だけど」 「えっ」