―――本の落ちた音が、図書室いっぱいに広がった。 「…………」 私はその場に立ち尽くしたまま、ずっと黙っていた。 「……そろそろ、あの時の返事聞かせてくれない?」 少し沈黙が続いた後、猫かぶり王子は静かにそう言った。 「…………」 ほら、やっぱり来たよ。