「ねー。何があったの?……王子と」


莉乃は私をジッと見つめた。




「……何でも、ないよ」

ごめん、莉乃。




いくら莉乃でも……あのことは絶対に言えない。

……知られたくないの、誰にも。




「そー?まー何があったか知らないけど……元気出して」


莉乃はそう言うと、ニコリと笑った。