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「……しつこい」


苦笑いを浮かべながら、こんなに心配してもらってるのにでないわけにもいかず、あたしはその電話をとった。



【着信:真田彩】




「………」


『て、無言かい…!もしもしとか言うやろ普通!』


「…行かないよ」



気をつかってか、そうじゃないかは知らないけど。

いつもより、少しだけど、真田のノリがいいというか、テンションが高いように感じる。

(後者だと思いたい)



質問をする前に答えを出された真田は、携帯の受話器越しに、今どんな顔をしてるだろう。

驚いているか、無表情か、

そこまで考えて、止めた。
考えることは、疲れるから。




『今からならまだ、「寝坊して遅刻しました」で済むよ』


「今もう3時間目でしょ」


『なんでわかんの!?』


「…………」




実は気になってずっと時計見てました、なんて言えない。


あたしは真田みたいに、受験生なのに休むなんて云々とか言うつもりはない。

ここで相良くんを出すつもりもさらさらない。


ただ、気になっただけ。

ズル休みなんて初めてだから。きっとそうだ。





ドキドキして、そうなっただけ。