「…まーくんでも言えない」




透は真剣な瞳で東條さんに訴えた。




「この俺に言えないだと?」




東條さんもくってかかる。




「そうよ、だから言ってるじゃない!!」




「透、いい加減にしろ」




「やだっ!!」




透に何か言い掛けようとした東條さんが、ある一点を見つめながら止まった。




…どうしたんだろう?




「…お前、妊娠してるのか?」




東條さんが見ていたのは、テーブルに置いてあった未使用の妊娠検査薬だった。




「…っ、」




「バカやろう!!」




《バチンッ》




東條さんはそう言いながら、透の頬を叩いた。




私はそれを見て頭にきてしまった。