そろそろ出なきゃ…。 でもこの泣き顔じゃダメだ…。 私は周りを見渡した。 人…、いないよね! 人がいないのを確認して、顔を洗った。 これでバレないよね!! 東條さんのこと考えちゃだめ!! 何回も心の中で唱えた。 「よしっ!!」 トイレのドアを勢いよく開けた。 「…君沢くん」 「やっと出てきた」 ドアを開けると、廊下の壁に君沢くんがよっかかっていた。