「…」 「お前どうしたんだ?」 「別に何も…」 壁についていたはずの手が、私の両頬を挟んだ。 「嘘をつくな」 これ以上東條さんを意識したら… 「俺に嘘をつくんじゃない…」 さっきとは違って、私の両頬を優しく包み込むように言った。 そして、東條さんの唇が私の唇にたどり着いた。