「あ、鷹島くん肩にゴミがついてるよ」 そういって東條さんは屈んで私の肩へ手を置いた。 「嘘をつくんじゃない。お前の顔見たら分かるんだよ。仕事に私情を持ち込むんじゃない。」 私は肩がビクっとなった。まるで見つかってしまった子どものように。 「鷹島くん、とれたよ」 東條さんは目に見えない嘘のゴミを手でつまんで床へ落とした。 「ありがとうございます…」 見ると、自分のデスクへ戻る東條さんの背中が見えた。 何故か切なくなる。