私は東條さんに出会ってからのことを話した。
「ナニソレ~!?」
「声でかいよ!」
麻由子のでかい声にお客さんがチラチラこっちを見ていた。
「キスされちゃったわけ?!しかもトイレに押し込まれて…、あんたの妄想じゃなくて?」
「信じて!妄想なんかじゃないの!!」
「そりゃあ胡桃のこと信じてるけど、そんなエロ本に出てきそうな展開は…」
「麻由子!」
「ごめんごめん!そのセクハラ上司はハゲな訳?」
「それがねっ、容姿端麗で黒髪短髪で紳士的みたいな人なんだけど…」
「えぇ~?!えっと…、あんな感じ?!」
麻由子の指さす方を見ると、噂していた東條さんがいた。
「あっ…」
…なんで東條さんと透が一緒にいるんだろう?
