「ここでいいです」 「ここが鷹島の住んでるマンションか」 東條さんはマンションをジッと見つめていた。 「今日は送っていただいてありがとうございました」 「どういたしまして」 車から降りようとしたら腕を掴まれて引き寄せられた。 「へっ?!」 「おやすみ」 耳元でそう囁かれた。 「…う」 「降りる気なくしたか?」 フッと笑って私の頭に手を置いた。 「あ、ありがとうございました!!」 私は走ってマンションの階段を上がった。