否定する前に唇は重なった。



「…んっ、」



「「でも、東條さんとイケないことしてみたーい!キャハハ」」



女子社員達はそう言いながら、トイレから出て行った。



それを聞いた瞬間に私は唇を離した。



今まさに私は東條さんとイケないことを…。



「女子社員が言ってたイケないこと、これからここでするか?」



東條さんが艶めいた瞳で私を貫くように言った。



「~最低ッ!」



私は鍵を開けてトイレから走り出た。



なんなの?!



抵抗すれば良かったじゃない!!



なんで抵抗しなかったの?!




その頃、東條はトイレから出て廊下を走っていく胡桃を見つめ、唇を指でなぞりながら呟いた。




「フフッ、これから面白くなりそうだな」