今、少しだけ聞き取れた名前に俺は耳を疑う。 「俊介…」 今度ははっきり聞こえてしまった。 聞きたくなかったその名前を。 俺は一気に谷底に落されたような気分になる。 そのまま足跡を立てないように、その場を後にした。 ベランダに出てタバコに火をつける。 たかが寝言。 だけど…、俺の胸は引き裂かれる。 自信を持とうと決意したのはほんと数分前なのに。 心が折れそうになる自分がいて。 情けなくて、それ以上に切なくて悔しくて仕方ないー。