白い雪は、次第に彼女の膝ほども深くなり、

だけど

埋まるほどに彼女は吐く息を白くさせて僕らの視界も煙らせたから

だんだん、

このまま行けば僕も彼女も銀色の塊になれるかもしれない、

手の甲に浮かび上がる青い血管までも雪が入り込み、

雪が全身を循環しだすかもしれない、


そんなふうに、僕も彼女と一緒になって白く染まる事に夢中になり


彼女の涙まで

ああ、雪が溶けて流れ落ちてきたんだとしか

思えなくなり


僕まで躯から雪が溶け出して


目元から額から滲み出す雪が


愛おしくなり自分で掬って彼女に舐めさせた。