彼が、静かにカチャリと錠をかけて、出ていく。

私は音を確認して、胸のドキドキをしばらくは布団の中でごまかしたら、そーっとカーテンの隙間から確認した。

そこには……

二つの、足跡。

一つは、哲哉のブーツ。
もう一つは、


幸人のスニーカー。

『冬でも、はきなれたコイツが滑らなくていいんだ』

そう言って笑ってた、幸人の足跡。


除雪車もまだ来ない真夜中、真っ白に、ふかふかと積もった雪の上、しっかりと二つの足跡が白い刻印を残してどこまでも続いてる。


私は裸足で飛び出して……