『……ごめん、ルリ。声聞いたら、本当に仕事もほったらかしにして、札幌に帰りたくなるし…だから、ずっと連絡できなかった。納得できるとこまで、集中して、やり遂げてから、会いたかった』

『……じゃ、他に好きな人ができたからじゃなくて……』

彼は、背もたれに寄り掛かって笑い、

『馬鹿だな、そんなわけないだろ?早く、迎えにきたかったんだ』

−−迎え、に。


『今回のクリスマス商戦で、俺の企画がそれなりの評価もらってさ、一応ちょっとまともなポストについたんだ、だから、』


彼はそう言って鞄から小さな箱を取り出した。