部屋には私とお医者さんだけが残る
『優しい彼氏だね・・・君が気を失ってる間もずっと手を握ってたよ』
私は左手に視線を落とした
確かに左手が暖かい・・・・・・
私はそっと左手を頬に当てる
愁・・・やっぱり好き・・・
この想い・・・溢れて止まらない・・・・・・
『でも・・・君達は別れた方がいい・・・・・・』
『へ・・・・・・?』
いきなり声のトーンを下げて言うお医者さんに私は内心、戸惑う
別に付き合ってる訳じゃないけど、どうしてここまで悲しそうに“別れた方がいい”なんて言うのか・・・・・・分からない・・・・・・
でも・・・訳がありそう・・・・・・
『何でですか・・・・・・?』
『君は・・・人間なのに、血が足りなさ過ぎる・・・血を吸われてはいけない・・・!』
え・・・・・・?
それって・・・つまり・・・・・・・・・
『・・・消滅しなければ・・・ならない・・・』


