「手術するんですか?」 「はい。腫瘍は小さいですし、場所も良いので全部摘出できると思います」 『手術』と言葉を出すと、初めて会った方の先生が口を開いた。 部屋に入った時に紹介された外科の先生だった。 私の手術を担当する大木先生は、落ち着いた感じの穏やかな先生で、この先、私はこの穏やかさに幾度となく救われる事となる。 そして、和也の存在もまた、私に手術を受ける勇気を与えてくれていた。