「はい……わかります。大丈夫です」 大丈夫なわけがない。 組んでいる手が震えるのを抑えられない。 走ってもいないのに、心臓が激しく脈打つ。 呼吸が上手くできない……。 「井田さん……」 「大丈夫です、大丈夫」 震える手をギュッと強く握り、大きく息を吸って軽く吐き、私は自分に言い聞かせるように「大丈夫」を繰り返した。 その後の事はあまり覚えていない。 ただ、私は放心状態のままであってもきちんと入院する手続きだけはとっていた。