イケメン倶楽部




琉依said──



本当にこれで良かったのだろうか?



ふと、そう思うことがある。



葵に一方的に別れを告げてから、俺は変わったと思う。



いや、変わったんじゃない。



葵に出会う前の俺に



まだ本当の恋を知らない自分に戻っただけ。



ただそれだけのこと。





「…寂しいです。」
「本当?お世辞でも嬉しいな。」
「お世辞じゃないですよぉ!」



三日後にまた、アメリカに行くことになった。



いや、戻ると言った方が正しいかな。



そして、もう日本には戻ってこないつもりだ。



日本にいると思い出してしまうから…



アメリカに行って、父さんの会社を早く継げるようになる。



それが、今の俺の目標。





「…馬鹿ですね。」
「はぁ?!」
「馬鹿としか言いようがありません。」
「つか、なんでお前がいんだよ!!!」



俺の目の前には翼。



あ、皆、登場回数が少なくて忘れてるかもしれないから紹介するけど…



聖蘭男子学園の元生徒会長。



イケメン倶楽部の元リーダー。



俺の元ルームメート。



玉城翼



…思い出したよな?




「葵ちゃんと別れたばかりにしては元気ですね。」
「…元気じゃねぇ……」



元気ぶってるだけ…



そうでもしないと、



今すぐにでも葵を迎えに行ってしまいたくなる。



せっかく葵の幸せを願うって決めたんだ




これ以上悪役にはなりたくない。





「葵ちゃん、結構人気あるみたいですけど。いいんですか?」
「…別に関係ねぇよ。」
「今ならまだ間に合いますよ?」
「関係ねぇつってんだろ!!」



何キレてんだよ俺…



翼にキレたってどうにもならないことぐらいわかってんのに…



心のどこかで、納得出来ていない自分がいた。