ってな訳で
勢いまかせで来ちゃったけど…
「…やっぱり無理ぃー!!!」
大通りのど真ん中にあたしの声が響く。
白いビルからは、可愛いモデルさんやスタッフさんが出入りしている。
そんなところに入れる訳ない…!!
「この意気地なし!あんたそれでも女か?!」
「…女です。」
「つい最近まで男装してたやろが?!こんなとこでヘタってないで、ちゃんと会って話してこい!!!」
こんなに本気に怒ってる紗菜は久しぶりに見た。
紗菜はいつも無関心なふりして、本当は誰よりもあたしのことを心配してくれる。
ヤバい…
なんか泣きそう……
「…あっ!!出てきた!」
ビルの中からは、綺麗な女の人と仲良さそうに出てきた琉依の姿。
久しぶりに会えた琉依の姿に胸が高鳴る。
「えっ………」
今……
目…合った………
あたしの横を通り過ぎた琉依の後ろ姿を見つめることしか出来なくて、
気付いた時にはいなくなっていた。
なん、で……?
今…あたしだってわかったよね?
会いたくもないってこと……?
「何あれ……あたし呼び戻してくる!!」
琉依の後を追い掛けて行こうとした紗菜の腕を、必死に掴む。
「…やめて……余計なことしないでよ…!!」
「余計なことって何よ!!葵が落ち込んでるから!!!」
「……ごめん。少しそっとしておいて……」

